在留資格制度、退去強制と出国命令の解説

最終更新日:2023年7月22日   行政書士 勝山 兼年





不法な滞在後の処分

退去強制とは

 入管法(第24条)では、退去強制事由に該当する外国人は、日本から強制的に退去させることができるとされています。

退去強制事由
  1. 不法入国・・・パスポートを持たずに入国した者
  2. 不法上陸・・・パスポートは持っているが上陸審査を受けずに上陸した者(密入国)
  3. 不法滞在・・・在留期間を過ぎて在留する者(オーバーステイ)
  4. 不法就労・・・資格外活動許可を得ないで在留資格以外の活動を行って収入を得た者
  5. 法入国や不法上陸を助けた者
  6. 売春や売春に直接関係のある業務に従事した者
  7. 無期又は1年以上の懲役・禁錮に処せられた者(執行猶予は除く)
  8. 麻薬・大麻取締法、あへん法、向精神薬取締法に違反して有罪判決を受けた者
  9. その他


退去強制令書

退去強制手続きの流れ

入国警備官による違反調査 容疑が固まると身柄収容、48時間以内に入国審査官に身柄を引き渡す。
入国審査官による違反審査退去強制事由と認定されると「退去強制 令書」が発布され強制送還。 認定に不服(異議)がある場合は、特別審理官に対し「口頭審理」を請求できる。
特別審理官による口頭審理 認定に誤りがないと判定されると「退去強制令書」が発布され強制送還。 判定に不服(異議)がある場合は、法務大臣に対し異議を申立てることができる。
法務大臣による裁決 異議の申し出に理由がない(退去強制事由)と裁決されると「退去強制令書」が発布され強制送還。
異議の申し出に理由がない場合でも、その外国人に特段の事情があり、在留を許可する事情があると 認められるときは 「在留特別許可」が認められます。
※外国人が自発的に「退去強制令書」で自費で帰国しても、退去強制であることには変わりませんので、5年、10年の上陸拒否期間となります。

出国命令制度とは

 平成16年12月2日の入管法改正においては違反者のうち、一定の用件を満たす不法残留者について、簡易な手続きにより出国させる出国命令制度が新設されました。出国命令に拠り出国した違反者の上陸拒否期間は1年です。




出国命令該当要件
  1. 出国の意思をもって自ら出入国在留管理局に出頭した者であること
  2. 不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと
  3. 窃盗罪等の一定の罪により懲役又は禁錮に処せられた者でないこと
  4. 過去に退去強制されたこと又は出国命令を受けて出国したことがないこと
  5. 速やかに出国することが確実に見込まれていること
出国命令適用除外
  1. 不法入国者
  2. 不法上陸者
  3. 不法残留の罪で身柄が拘留された者

 その他にもケースによって、出国命令制度に該当しない場合がありますので、自らの要件を正確に確認するため専門家に相談の上、出国命令制度の利用を検討されるべきでしょう。


まとめポイント
  • 退去強制の処分を受けると5年間以上の上陸拒否となる。
  • 出国命令の処分の場合は上陸拒否期間は1年間になる。
  • 在留特別が認められない場合はは退去強制の処分を受けることになる。



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