
永住申請の国民年金にかかわること
最終更新日:2025年3月29日 行政書士 勝山 兼年
国民年金にかかわる証明
永住申請において申請人または申請人を扶養する者の公的年金保険料の納付状況を証明する資料を提出しなくてはなりません。
「厚生年金」や「共済年金」は適用される事業所で働くサラリーマンや公務員それらに扶養される者(第3号被保険者)が対象となります。「国民年金」は会社員や公務員以外の一般の国民が対象となります。永住申請では直近2年間の保険料の納付状況について証明しなくてはなりません。全ての期間が「厚生年金」や「共済年金」加入であればねんきんネット「各月の年金記録」の印刷画面の印刷を提出するだけで済みます。全ての期間または会社を退職後の再就職までに一定期間「国民年金」に加入していたのであれば納付状況を証明する各種資料を提出しなくてはなりません。
年金の種類
「ねんきん定期便」又はねんきんネット「各月の年金記録」の印刷画面で確認します。月ごとに「厚年」と「国年」との記載があります。
- 「厚年」=厚生年金
- 「国年」=国民年金

「ねんきんネット」の利用方法はインターネット画面より新規登録をします。記述した住所にIDが記載されたハガキが届き、そのIDをインターネット画面に打ち込みます。各種画面の中から「年金記録照会」→「年金記録を確認」→「各月の年金記録」を選びます。
国民年金の場合の納付日が判るものは
被保険者記録照会(照会区分03)です。年金事務所で発行されます。全国どこの年金事務所でも基礎年金番号を知らせれば発行してもらえます。委任状があれば代理人が発行を受けることも可能です。

第3号被保険者
いわゆる専業主婦のことです。年収が130万円を超えない者は配偶者が加入している厚生年金や共済組合に一括で納付していますので、個別に収めることが不要です。

国民年金保険料の納付期限とは
納付期限は、法令で「納付対象月の翌月末日」と定められています。
永住許可申請事例
- 外国人配偶者が専業主婦の場合
日本人と結婚し、「日本人の配偶者等」の在留資格で日本に在留しているインドネシア人妻Bさんは、子供にも恵まれ、家族仲良く日本で暮らしております。日本在留後3年が経過し、在留期間は「3年」ですので、出入国在留管理局に永住許可申請をしました。年金の納付に関する提出資料として「ねんきんネット各月の年金記録」をプリントアウトして提出しました。申請後一か月ほどして出入国在留管理局より、被保険者記録照会の提出要請がありました。
Bさんは来日後、1年間正社員として工場で働いたのち、出産を境に現在まで専業主婦をしています。そこで、Bさんは自宅近くの年金事務所を訪れ、出入国在留管理局より送られてきた資料提出要請書を職員に見せたところ被保険者記録照会回答票と照会区分03、04を作成してくれました。年金事務所から取得した書類を出入国在留管理局に送付したところ、申請後6か月ほどでBさんの永住が許可されました。

- 外国人配偶者が派遣社員の場合
日本人と結婚し、「日本人の配偶者等」の在留資格で日本に在留している韓国人女性Iさんは、家計を助けるため来日後派遣会社に登録し、製造業の仕事に従事していました。結婚5年目で日本人配偶者が重病を患い、将来の不安を感じたIさん夫婦はIさんの身分をより安定させるため、永住申請をする事にしました。
Iさんは年金事務所を訪れ、被保険者記録照会回答票の発行を受け、それを出入国在留管理局に提出し申請しました。2か月ほどで出入国在留管理局より、資料提出要請があり、1年前の2ヶ月間の国民年金の納付時期が遅れていることの説明を求められました。Iさんは夫の看病に専念するため、派遣先を半年間辞めていました。 厚生年金から国民年金に切り替わっていることを深く考えずにいたところ、市役所から保険料納付の督促があり、まとめて保険料及び国民年金をまとめて納付した経験があったのです。その旨の説明書を作成し、出入国在留管理局に提出しましたが、永住申請の結果は不許可でした。出入国在留管理局に出向き、不許可の理由を確認しましたが、過去2年間の社会保険料の適正な納付がなされていないことが理由で、適正な納付を2年間継続できたから、再申請をすることを勧められました。
- ねんきんネットの各月の年金記録を印刷する。
- 国民年金の納付日が判るものは「被保険者記録照会」。
- 第3号被保険者は配偶者が一括納付している。